Microsoft Azureとは? 〜入門編〜どういったサービスが提供されている?

突然ですが、皆さんはMicrosoft Azureというクラウドサービスを知っていますか?
Microsoft Azure(マイクロソフト アジュール)とはマイクロソフトが提供しているクラウドコンピューティングサービスで、2010年10月に最初のサービスが開始されました。当初はWindows Azureという名前でしたが、4年後の2014年にMicrosoft Azureに名称を変更し、現在でもサービスが継続されています。
Microsoft AzureはAWS(※1)やGCP(※2)と同様に、サービスを利用した分だけ料金を支払う従量課金制になっているので、使用しなければその分の費用は発生しません。Microsoft Azureでできることは数多くありますし、様々な特徴や利点があるので興味がある人は是非とも導入を検討してみてはいかがでしょうか。
クラウドサービスシェアは、AWSが上位に位置していますが、売上増加率(2020年)は圧倒的にMicrosoft Azureの方が勝っており、導入を検討する企業や、活用の幅が広がってきていることが分かります。稼働率も非常に高く、安定して様々な分野に活かすことができます。
それでは、Microsoft Azureにはどんな特徴や利点があるのか、どんな分野で使用されているのかなどを詳しく解説します。
※1 Amazon Web Serviceの略。Microsoft Azureと同じくクラウドコンピューティングサービスを展開している。
※2 Google Clowd Platformの略。こちらもGoogleが提供するクラウドコンピューティングサービスの総称。
Microsoft Azureの特徴
Microsoft Azureには様々な特徴があります。ビジネス上において生じる課題は後を絶ちません。Azureはそんな課題を解決するために開発されたクラウドサービスであり、現在も対応策を考案できるように様々な機能を追加しながら拡大し続けています。そんなMicrosoft Azureの特徴を4点ご紹介していきましょう。
1.予算に合わせた構成が可能
Microsoft Azureは、マイクロソフトによって開発・投資が担保されているので、マイクロソフトの製品との親和性が非常に高いです。今あるシステム環境から簡単にシステムを移行することができ、予算に合わせたシステム環境の構築も思いのままです。
マイクロソフト製品との親和性によるハイブリッドな構成ができることから、より柔軟で幅広く活用できるシステム環境にすることもできます。
2.様々な開発言語、OS、プラットフォームに対応している
Microsoft Azureは、幅広い開発環境に対応できるように、開発言語やOS、プラットフォームに対応しているという特徴があります。Microsoft Azureは、Windows以外のアプリケーションやプラットフォームにも対応しており、多彩なプログラミングに対応できるようPHP、.NET、Java、Python、Rubyなど数多くの開発言語にも対応しています。
オープンソースや様々な製品に対応できるように日々様々なサービスを展開しており、多くのプログラマーを唸らせるクラウドサービスとして活用できるでしょう。
3.サービスラインナップが豊富
Microsoft Azureではより多くの分野で活用できるように、数多くのサービスが利用できます。項目別にすると、以下のようになります
- コンピューティング
- Virtual Machines
- Cloud Services
- Batch
- Service Fabric
- Azure Container Service
- Webとモバイル
- App Service
- Mobile Apps
- Mobile Engagement
- API Management
- データとストレージ
- SQL Database
- Storage
- CosmosDocumentDB
- StorSimple
- SQL Data WarehouseSynaps Analytics
- Azure Redis Cache for Redis
- Cognitive Search
- 分析とIoT
- HDInsight
- Machine Leaning
- Data Factory
- Data Catalog
- Data Lake Analytics
- Azure IoT Hub
- Event Hubs
- Notification Hubs
- Stream Analytics
- ネットワーク
- Virtual Network
- Load Balancer
- DNS
- Express Route
- Traffic Manager
- VPN Gateway
- Application Gateway
- メディアとCDN
- Media Services
- CDN
- ハイブリッド統合
- Backup
- Site Recovery
- Service Bus
- BizTalk Services
- セキュリティと管理
- Azure Active Directory
- Azure Active Directory B2C
- Azure AD Domain Services
- Multi-Factor Authentication
- Scheduler
- Automation
- Key Vault
- Log Analytics(OMS)Monitor
- 開発者向けサービス
- Visual Studio Team ServicesAzure DevOps
- Visual Studio Application Insights
以上のように数多くのサービスが利用できます。どんな分野でも役立つサービス開発ができるでしょう。
4.稼働率99.95%のグローバルデータセンター
Microsoft Azureは全世界548ヶ所にあるデータセンターのリージョン(地域のこと)が選択できるのが特徴です。日本国内の東日本と西日本にもデータセンターがあり、稼働率99.95%という驚異の数字を維持したまま継続的なシステム環境の構築が可能です。
さらにAzure Site Recoveryによって災害復旧サービスも利用できることから、災害対策もできます。
Microsoft Azureを活用するとどんなメリットと注意点がある?
Microsoft Azureにはお得な活用方法があります。導入することによってより拡張的なプラットフォームが利用できるので、これまで以上に操作性などの向上が期待できるでしょう。セキュリティ性能も非常に高く、中長期的な利用にも安心感があるのではないでしょうか。
しかし、Microsoft Azureを利用する際には注意点もあるので、事前にどんな注意点があるのか知ることが大切です。それでは、AMicrosoft Azurezureを使用したお得情報についてご説明しましょう。
メリット その1. 使った分だけ料金が加算される従量課金制
Microsoft Azureは分単位で料金が加算される従量課金制を採用しています。これにより、使用した分だけ料金が加算されていくので余分に料金を支払う必要性がありません。また、Microsoft Azureには、長期契約を行う人向けに割引してくれるサービスがあります。
さらに、企業がMicrosoft Azureを導入することを想定した料金体系も用意されているだけでなく、割引してくれるサービスもあるなどお得に導入できるようになっています。
しかし、使った分だけ料金が加算されるということは、利用している限り永遠に料金が発生することになります。初期費用が安かったとしても継続費用でお金がかかってしまっては意味がないと考える人もいるでしょう。
もちろん利用期間が短ければ料金も少しで済むので、予算に応じて利用するかどうか検討しましょう。
メリット その2. 導入を決めた後すぐに利用できる
Microsoft Azureは利用できるまでの期間が短いので、場合によっては即日利用することも可能です。必要なハードウェアもソフトウェアもサービスを提供する側が既に用意されているため、こちらが必要なのはマイクロソフトのアカウントの作成とMicrosoft Azureのアカウントへのサインインのみで、サービス利用の契約が完了次第すぐに使えます。
導入したい時にすぐに使えるのは大きなメリットです。
メリット その3. サービス提供者が様々な対応を行ってくれる
サービス提供者は、利用者がスムーズにMicrosoft Azureを使えるように様々なサポートを行っています。中でも嬉しいのは、自分で定期的な保守や故障対応などをしなくてもいい点です。通常、買い切りの機器は誰かがオンライン上でサポートしているわけではないので、もしも故障したりセキュリティの強化をしたりと様々な対応は全て自分で行わなければなりません。
様々な対応を自分で行うためには、相応のコストがかかりますし、知識も必要になるので事前準備が欠かせません。しかし、クラウドサービスのMicrosoft Azureは故障対応も定期的な保守も全てサービス提供者が行うので、自分で対応する必要性がありません。
何か不具合が起きたとしてもすぐに対応してくれるため、利用者は集中してMicrosoft Azureのサービスや機能が使えるようになります。
注意点 カスタマイズに制約がかけられている
Microsoft Azureを使う上で問題になりやすいのが、カスタマイズに制約がかけられていることです。買い切りの機器の場合、お金と技術力が必要ではありますが、自身で自由にカスタマイズできるのでカスタマイズ性は非常に高いと言えます。
しかしMicrosoft Azureはクラウドサービスなので、自分でカスタマイズできる範囲が限られています。とはいえ、カスタマイズできなくても買い切りの機器ではできないようなサービスや機能が常に提供されているので、カスタマイズできなくてもそれほど不便に感じることはないかもしれません。
まとめ
以上、ここまででMicrosoft Azureの概要と、どういった領域に使えるのか、どういったサービスが提供しているのか、そのメリットと注意点についてお伝えしてきました。後編では具体的な活用事例についてお伝えします。ご覧いただいて、活用のイメージを掴んでみてください。